IT企業が社員採用の際に応募者から聞かれることが、エンジニアとして一人前になるにはどのくらいの時間がかかるか、です。新卒や中途採用に関わらず、誰もがSEとしての将来像に不安を覚えているわけです。それだけ現在のIT業界は変化が激しくなっており、身につけたスキルが直ぐに時代遅れになることもあります。それ故、常に最新のITスキルを身につけておくことが生き残りのカギとなるので、就職先の企業がどれだけ社員研修等のサポート体制に力を入れているかが重要になると言えます。
そうした新人SEに対する回答として多いのは、「10年程エンジニアとして働けば、何処でも通用するスキルが自然に身につく」ということです。逆を言えば、10年間SEとして務め続けられるかどうかが、一人前になれるかどうかの分かれ目となります。
エンジニアの仕事としては、プログラミングに限れば1、2年あれば一人前になることが出来ます。一般的には「言語の壁」を障害に感じる事がありますが、実際にはそれほど問題になりません。寧ろ、難しいプログラミングを使わずに、シンプルなシステムにすることが大事になると言えます。
それでも、SEとして一人前になるのに時間がかかるのは、設計を修得するまでに長い時間を要するからです。これこそIT技術者としての中核になると言えます。中でも重要なのが、顧客の仕様に合わせて変換することで、慣れるまでに通常3、4年かかります。そして、プロジェクトマネジメントや顧客対応力を身につけて、初めて一人前のIT技術者と言えるわけです。